同じパスワードを使うと危険なのは分かるけれど、管理が面倒だからとパスワードの管理アプリを使っている人はいませんか?そんな人は一度この記事で紹介しているパスワード管理アプリを使ったときの危険性についてご覧になってください。特にセキュリティ対策が万全ではないアプリは、あらゆる懸念点があるので、合わせて確認しセキュリティ対策を万全にしましょう。
パスワード管理アプリの危険性を考察した結果
パスワード管理アプリに危険性があるのは事実です。
仮にパスワード管理アプリで自分が使う全てのパスワードを管理しているとします。そしてもし使っているパスワード管理アプリに脆弱性が確認されると全てのパスワードが流出する危険性があるからです。そのため、次の見出しから紹介する代表的なパスワード管理アプリの脆弱性について確認してみましょう。
多要素認証機能がついていない場合の危険性について
パスワード管理アプリに多要素認証が搭載されていないときは、パスワード管理アプリの脆弱性を狙われる危険性が高くなります。
多要素認証機能とは、パスワード管理アプリのアカウントにアクセスするときに、メールや顔認証などを使って本人が使っているかを確認するシステムです。特に顔認証の多要素認証は、実際に自分の顔でなければ認証できないため、パスワード管理アプリに潜む危険性が非常に低くなるとされています。
一方メールアドレスによる多要素認証も、顔認証ほどのセキュリティレベルの高さはありませんが、パスワード管理アプリの危険性を大きく低くできるメリットがあります。
突破されやすいパスワードが使えるときの危険性について
パスワード管理アプリの中には、簡単なパスワードでも設定できる場合があるため、第三者にパスワードを推測されてしまう危険性があります。例えば自身の誕生日をパスワードに設定していた場合、パスワード入力を365回試せば分かってしまいます。そこで、セキュリティ対策の万全なパスワード管理アプリでは、英数字だけでなく英文字や記号などを交えて推測されにくいパスワードを設定するように提案してきます。
反対にパスワード管理アプリに危険性があるとされるタイプは、推測されやすいパスワードや、短いパスワードでも警告文も出さずに認証してしまいます。
サービスが終了しているアプリを使ったときの危険性について
サービスが終了したパスワード管理アプリは、脆弱性が改善されていないため、そのまま使うとパスワードが盗まれてしまう危険性があります。対して運営中のパスワード管理アプリは、度々セキュリティ対策のアップデートをしているため、パスワードを盗まれる危険性が低いです。
そのため、個人や小さな企業などが運営しているパスワード管理アプリは、いつサービスが終了するかわからないので、利用しないほうがいいでしょう。一方Googleやセキュリティ対策ソフトの開発会社が運営しているパスワード管理アプリは、高い頻度でアップデートしているので、安心して使えます。
暗号化通信を採用していないときの危険性について
パスワード管理アプリに暗号化通信機能が無い場合、第三者に入力中のパスワードを盗まれてしまう危険性があります。暗号化通信とは、アカウント情報を入力してパスワードの成否を確かめるときに、第三者に読み取られないようにするための通信方法です。
暗号化通信で入力されたパスワードは、受信者のみが解読できる仕様になっているので、パスワードを盗まれる危険性が非常に低いです。したがって、安全なパスワード管理アプリを探している人は、SSLやTLSなどが使われている暗号化技術を公開しているタイプがおすすめです。
OTP機能がないときの危険性について
パスワード管理アプリにOTP機能がないと、パスワードを悪意ある第三者に盗まれてしまう危険性があります。OTPとはワンタイプパスワードのことで、一度使ったパスワードを使えなくするシステムです。また、OTPで設定したパスワードは入力しないままだと数十秒後に使えなくなるので、文字通り1度しか使えないパスワードとして信用を集めています。
ただし、OTPを使うには利用しているサービスのアカウントがOTPに対応している必要があります。さらにOTPは事前に設定しないと使えないため、利用しているパスワード管理アプリやサービスがOTPに対応しているかどうかを確認するのも重要です。
パスワード管理アプリ関連の事件から危険性を認知してみよう
パスワード管理アプリの中で、最も有名なのはLastPassの漏洩事件です。この事件は2022年8月に発生したもので、原因はLastPassの社員の自宅PCがハッキングされたことによるものです。ハッキングされたことでパスワード管理アプリのソースコードが漏洩してしまい、悪意ある第三者にパスワードが漏洩する危険性がありました。
この様に悪意ある人は、わずかな隙をついてでもパスワード管理アプリから利用者のパスワードを盗もうとしてくるので大変危険です。
IOSのパスワード管理アプリに潜む危険性について
2025年5月現在ではIOSに搭載されているパスワード管理アプリに、特定のコードが自動で実行されてしまう危険性が指摘されています。しかも特定のコードは、画像や動画に混在した悪意あるコードがトリガーになるため、一見パスワードとは関係ないブラウジングした場合でも漏洩する危険性があります。なお、Appleでは既に対策のためにアップデートをしていますが、パスワード漏洩の危険性があることから、ユーザーにセキュリティ情報の更新を推奨しています。
Appleではこういった内容を公式サイトで告知していますが、パスワード管理アプリの多くには告知機能が搭載されていないため、気づかない人もいます。したがって、パスワード管理アプリを使っている人は、公式サイトの発表を定期的に確認するようにしましょう。
Androidのパスワード管理アプリに潜む危険性について
Androidのパスワード管理アプリは、OS自体がオープンソースな影響もあって度々脆弱性あるため、パスワードが漏洩する危険性があります。しかし、オープンソースにしていることでユーザーが自ら脆弱性に気づくことも多く、パスワード管理アプリのアップデート速度が早いというメリットがあります。
また、様々な種類のパスワード管理アプリがあるので、使用環境に合わせたアプリを選べるメリットも注目されています。
まとめ
パスワード管理アプリには、パスワード漏洩の危険性があるため、対策をしていない状態での利用はおすすめできません。特にサービスが終了しているパスワード管理アプリは、セキュリティのアップデートも行われないため、そのまま利用しているとパスワード漏洩の危険性がさらに高くなります。また、運営中のパスワード管理アプリでも、思わぬトラブルでパスワードが漏洩する危険性があるため、定期的なパスワードの更新をおすすめします。