パソコンを使っていたら、突然画面上に「ウイルス感染警告」などと書かれたメッセージが表示されたことはありませんか?大事なパソコンがウイルスに感染…誰もが焦ってしまいますよね。それと同時に、「このURLにアクセスしてウイルスを除去してください」「この電話番号にかけてサポートを依頼してください」などと、ウイルス感染の解決策ともとれる方法を合わせて提示してくるケースもあります。本来、こういったウェブサイトや電話番号には絶対に繋いではいけないのが基本。アクセスしたら最後、そのままパソコンがウイルスに感染してしまったり、電話口で高額請求されてしまったりと、全くサポートとは異なる事態を招きかねないからです。これを、サポート詐欺と呼びます。今日は、そんなサポート詐欺について全貌を調査し、ウェブサイトや電話番号にかけてしまった場合にどうなるのか?実際に起こったケースも見てみたいと思います。
サポート詐欺って何?
不特定多数のパソコンに、ウイルスに感染した旨のメッセージを表示。「この番号に電話をすれば解決します」などと謳い、サポートすると見せかけて悪質な金額請求をしたり、実際にウイルスに感染するソフトウェアやそのPCを遠隔操作できるソフトウェアをインストールするよう促したりする、新手の詐欺手法。それがサポート詐欺です。
いつから発生している?
サポート詐欺は、実は2006年に初めて記録されたのだそう。当時からアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、インドなどの様々な国で確認されており、日本では2016年ごろから被害が顕在化しています。よって、まだまだその対策や危険性について十分に周知されておらず、多数の被害が報告され続けています。
絶対にかけないで!ウイルス感染警告の電話番号
パソコンに突如表示されたメッセージに書かれた電話番号に電話をすることは、絶対にしてはいけません。クレジットカード番号などの個人情報を入力するよう促されたり、有償のサービスを契約させられたり、ウイルス感染に対するサポート費用を請求されたりすることがあるからです。
警告メッセージは「無視」一択!
ウイルス感染警告のメッセージが突然表示された場合、無視してOK。そのままブラウザやウインドウを閉じたり、タスクマネージャーから強制終了を選んで閉じたりと、何らかの方法でメッセージを画面上から消し去ってください。警告音が鳴っている場合にも、閉じてしまえば鳴り止みますし、メッセージが表示されただけでは実質の被害もないので、不安になることはありませんよ。
困ったら相談窓口へ連絡!
警告メッセージが消去できない、本物の警告メッセージなのか偽物なのか判別がつかないなど、判断に困ったときには消費者ホットライン:「188(いやや!)」に連絡すると、最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。また、パソコンに関する技術的な相談に対してアドバイスがもらえたり、操作方法を教えてもらえたりする「情報セキュリティ安心相談窓口」も活用してみてくださいね。
もし電話をかけてしまったらどうなる?
それでは、万が一慌てて、表示されている電話番号にかけてしまった場合、どうなってしまうのでしょうか?実際にあった例とともに、その恐ろしさについて知っておきましょう。
ケース1. ウイルスの除去費用を高額請求された
ウイルス感染警告メッセージが表示され、そこに書かれていた電話番号に電話をしたところ、担当者が出ました。ウイルスを除去するソフトをインストールするよう言われたので、指示通りにインストール。すると「これでウイルスは除去されました」と言われ、その修繕費用を請求されたという、一般的なケースです。
ケース2. プリペイドカードで次々に支払いを請求された
ウイルス感染警告とともに書かれていた電話番号にかけてみると、コンビニでプリペイドカードを購入するよう指示がありました。言われるがままに購入すると、ウイルス除去のための遠隔操作費用やその他有償サービスなど、ウイルスの一件が終わっても次々に費用を請求されることに。
ケース3. クレカ情報は断ったがAmazonギフト券で騙された
こちらも、同じようにウイルス感染警告に記載されていた電話番号に電話をし、クレジットカード情報を聞き出されたケースです。さすがにクレジットカード情報を教えるのは怪しいと思った当事者の人は断り続けますが、今度はAmazonのギフト券を購入し、そのコードを教えてくれればよいと言われ、渋々その通りにしてしまいます。結果、数万円のギフト券を買わされることになったそう。
まとめ
突然表示されるウイルス感染警告でユーザーを脅かし、そこにつけ込んで「サポートします」と謳い欺いてくるサポート詐欺。特にセキュリティ意識の低い人や、セキュリティに関する知識が乏しい人の弱みにつけ込んだ、とても悪質な詐欺手法です。ウイルス感染警告には驚いてしまうかもしれませんが、言われるがままに電話をかけたりウェブサイトをクリックしたり、ましてやソフトをインストールしたり金銭を支払うなどの行為は絶対にNG!自分の身を守るためにも、冷静な対応を心がけましょう!