スマホが水没したときに、すぐに水から取り出してまだ動いているから大丈夫か、なんて思ったことはありませんか?そんな経験をした人は、ぜひこの記事で紹介している水没後の正しい対処方法をご覧になった上で今後のトラブルに備えてください。水没の対処方法を知ることが数万円かかるかもしれない修理費用節約の切っ掛けになることでしょう。
水没してもスマホが使える理由とは
スマホが水没しても普通に使える理由は、防水機能が働いたか電子回路の水没した部分が、たまたま動作に影響のない部分だったかのどちらかです。あまり知られていませんが、実はスマホ含め機材が水に濡れること自体にあまり故障の原因はありません。濡れて故障するのは、電源が入っている状態で水没したスマホのみです。その理由は、電子回路は濡れている状態で電気が流れるとショートしてしまうからです。ショートとは電子回路に必要以上の電流が流れる現象のことで、スマホが水没したことで電子回路に必要以上の電流が流れてしまい、場合によってはスマホが熱くなるので状況がさらに悪化します。
スマホが水没したときの正しい対処方法
もしスマホの電源が入っていない状態で水没したときは、中の水分を無くしてから電源を入れましょう。おすすめの方法はジップロックなどの密閉できる袋や容器に、お米とスマホを一緒に入れる方法です。お米を入れる理由は乾燥剤として使えるからで、お菓子などに付属しているシリカゲルなどの乾燥剤を入れても効果があります。ただし、お米とシリカゲルのどちらを入れてもスマホ内部の水分を完全に乾燥させるには、1日以上の時間がかかる点に注意しましょう。
なお、お米やシリカゲルの用意が難しい人は、以下のようなものも乾燥剤の代用品としておすすめです。
- 塩
- 新聞紙
- 重曹
- キッチンペーパー
- 乾燥させたティーバッグ
- ピーナッツ
- つまようじ
【撃退!】スマホに入り込んだ水分を効率的に除外する方法とは
スマホが水没したときに普通に使えるように復旧するためには、A型シリカゲルを乾燥剤として使う方法が一番おすすめです。A型シリカゲルとは食品に使われている乾燥剤のことで、吸着した水分を外に逃がしにくい利点があります。ただし、吸着したい水分量に合わせたA型シリカゲルが必要なので、スマホが水没したときは、目安としてスマホの重さの20分の1程度のシリカゲルを用意しましょう。
ちなみにお菓子に入っているシリカゲルは、ほとんどが1グラムから2グラム程度です。したがって、仮に水没したスマホの重さが200グラムあったら、合計4袋分8グラムから10グラムのシリカゲルが必要になるでしょう。
B型シリカゲルで水没したスマホを直すときの注意点
B型シリカゲルはA型シリカゲルよりも水分の吸着量が多い利点がありますが、周囲に水分が無くなると吸着した水分を開放する特徴があります。したがって、カメラレンズの保管や建物内部の保湿には便利な機能ですが、スマホが水没して普通に使えるまで直したいときにはあまり適していません。
ただし、スマホ内部に大量の水が入ったときにはB型シリカゲルの高い水分吸着力が役立つので、水没被害の程度に合わせた使い分けをおすすめします。
乾燥剤を使って水没スマホを直すときの注意点
乾燥剤を使ってスマホが水没した状態を直すときの注意点は、あまり長期間乾燥剤の水分吸着力を頼りにすると普通に使えるようになる前に回線が壊れてしまうことです。確かに水没したスマホは電源を入れなければショートして壊れることはありませんが、水分が付着した状態を長期間放置すると、内部回線が腐食して使えなくなってしまいます。
したがって、乾燥剤で水没したスマホの水分を吸着するときは、長くても2日間にしましょう。特に夏場は湿気の影響もあって腐食するまでの時間が早くなる危険性があります。腐食の危険性を避けるためにも、乾燥剤を使う前にスマホを振ってできるだけ水分を逃がし、残った水分を乾燥剤で取り除く方法がおすすめです。
水没したスマホは電子レンジで直せるの?
スマホが水没したら最もやってはいけないことが、電子レンジで中の水分を蒸発させることで、この方法は普通に使えるようになる前に確実に壊れます。理由は電子レンジに金属を入れると、電子レンジから発せられる電磁波が反射されてしまうからです。特に水に濡れた金属は電磁波が乱反射して、最悪の場合電子レンジが爆発する危険性もあります。
仮に水没したスマホ内部の水分を蒸発できたとしても、水分という緩衝材を失った熱源が膨張して、スマホ本体のプラスチックを溶かして爆発するでしょう。したがって、水没したスマホは電子レンジで直すことはできません。
エアダスターで水没したスマホを直そうとした結果
エアダスターを使ってスマホが水没したときに入り込んだ水分を飛ばそうとした結果、普通に使えるようになることはなく故障しました。後に原因を探ってみたところ、どうやらエアダスターを使ったことで、本来水没していないところにまで水分を押し込んでしまったようです。したがって、エアダスターを使って水没したスマホを直す方法はおすすめできません。特にガスの威力が強めのエアダスターは、基盤を結露させてしまい水没の程度がひどくなる危険性があります。
掃除機でスマホ内部の水分を吸い取る方法とは
掃除機でスマホ内部の水分を吸い取る方法は、おすすめできません。理由は掃除機のノズルが太すぎてスマホが水没している箇所にまで吸引力を届けることができないからです。また、吸引力の影響で水分がスマホの水没していない箇所にまで飛んでしまい、普通に使えるようになるまで回復することはありませんでした。また、掃除機は埃や小さなゴミに対する吸引力が高いですが、粘着しているゴミに対する吸引力がほとんど期待できません。
特に水は暖かいと粘度が下がるものの、常温の場合は日常生活にある物質の中でも粘度が高い特徴があるので、掃除機で水分を吸引する効果はほとんど期待できないでしょう。
まとめ
スマホが水没した状態を直すには、乾燥剤を使った方法が一番おすすめです。ただし、B型シリカゲルを使った方法や掃除機を使う方法などは水没状態を悪化させる危険性があります。また、スマホの中に入った水分の除去に時間をかけすぎると電子回路の腐食が進行するので、乾燥剤を始め水没を直す方法を実践するときは早めに決断しましょう。