戸籍ビジネスって何?戸籍売買する人たちの知られざる”事情”とは

最近ではあまり聞かなくなった戸籍ビジネス、戸籍 売買、ネームロンダリングといったワード。一時期はドラマ「カルテット」で戸籍を買っていたことも話題でしたね。今回はそんな戸籍ビジネスについて調べてみました。

戸籍ビジネスとは

戸籍ビジネスとは自分の戸籍、本名や生年月日といった戸籍謄本上にあるその人という証明を売ることのようです。売り買いといっても、ただ戸籍簿を売るわけではなく、その本人である証明を渡すということで個人情報を渡すことになります。相場の噂は様々ですが100万円〜150万円で取引されているとか…。戸籍を売るということは日本における自分名義の権利を売るということ、つまり生きてはいても実際その名義の自分は死ぬということになります。逆に戸籍を買うということはその名義人の代わりにその人になり生きていくということを理解しておく必要があるようです。

戸籍謄本とは

戸籍謄本とは、戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するもので、「本籍地」「筆頭者」「戸籍事項」戸籍に記載されている方の「名」「生年月日」「父母の氏名と続柄」「身分事項」などが記載されています。似たものに戸籍抄本がありますがこの違いは、戸籍謄本は全員の身分事項を証明するもので、戸籍抄本は戸籍に2人以上の記載があるうちの1人分の写しになり、1人分しかなければそれは戸籍謄本ということになります。別の呼び方で戸籍謄本を全部事項証明、戸籍抄本を個人事項証明という言い方をする場合もあります。

なぜ戸籍を売るのか

ではなぜ戸籍を売る人がいるのでしょうか?理由は様々ですが、借金のために売る人、外国人との偽装結婚の為というのが多いようですね。外国人との偽装結婚、つまり戸籍上だけ結婚したことにすることで相手が永住権を得る場合があるようです。あくまで「得る場合」があるということで絶対ではないと言えるようですね。

戸籍売買の違法性

戸籍を売る中で一番多いとされている偽装結婚、ほとんどは日本人配偶者ビザの取得が目的で、もちろん偽装で結婚するわけですから公正証書原本等不実記載罪という犯罪になります。この罪は死体遺棄より重いとされており、偽装結婚に加担した売った日本人も共犯となり、出入国管理及び難民認定法違反となるようです。

ネームロンダリング

過去に戸籍に関する事件で、東京都の知的障害者の男性が本人に覚えのない偽装養子縁組を何度もさせられ、姓が変わる度に犯罪に悪用するための銀行口座が開かれていたという事件があったそうです。元々、養子縁組は嫡出子への財産相続や養育環境を保全することが主な目的とされていましたが、この制度が悪用され戸籍・姓名の偽装に使われるケースが多くなりました。ロンダリング(laundering)のことで洗濯する、きれいにするといった意味があり、ネームロンダリングも主には不正を隠す、犯罪行為をカモフラージュする手法として使われているようです。

まとめ

最近ではあまり耳にすることがなくなった戸籍ビジネスに関するワード、それでも実際に闇の中でやり取りはあっているようです。どんなものかをしっかりと理解した上で気をつけるようにしなければいけませんね。